Days of "dancin' in the vein"
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駅のホームで父と一緒に電車を待っていた。
通勤時で、ホームはサラリーマンやOLで溢れている。
父と私も出勤するのだ。行き先は違うが、並んで電車を待っている。
と、ふいに、父がひょいと線路に飛び降りた。
スタスタと線路を横断して歩いていく。
私は驚き、うろたえた。
てっきり父が自殺するために線路に降りたのだと思った。
まさか父にそんな願望があるなんて考えたこともなかった。
線路に降りて父を助けるべきかと思ったが、
もし電車が来れば私も巻き添えになる。
しかし私が躊躇しているうちに、父はスタスタと線路を横断し、
またスタスタとレールを跨いで引き返してきた。
得意そうな顔をしている。いわゆる「どや顔」というやつだ。
どうやら父は、単に自分の勇気をひけらかしたかっただけらしい。
しょうもない、と私は腹を立てた。
こんなとこでええかっこしても迷惑なだけや、と思い他人のふりをしていると、
父は何事もなかったようにホームに戻ってきた。
しかしそれでほっとする間もなく、今度は別の男が線路に降りた。
見れば兄だ。
兄は父のようにノンキに線路を横断したりせず、
線路の真ん中で仁王立ちになった。
兄は本気だ、自殺したいのだ。
私がおろおろしていると、いつのまにか父は再び線路に走り降りていた。
そしてまるでスーパーマンのように、兄をわしっと両腕で掴んで軽々と持ち上げ、
そのままジャンプしてホームに戻って来た。
兄はホームに三角座りをして泣きじゃくっていた。
私は切なく、けれどなすすべもなく、ただ兄の背中を撫で続けた。
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