Days of "dancin' in the vein"
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目を覚ますと、部屋の中を大きな白い鳥が転げまわっていた。
もこもこした、はばたかない鳥で、
羽根をばたつかせながら転げるように部屋の中を行き来している。
最初は七面鳥かと思ったが、よく見ると巨大なニワトリだ。
追い出さなくては、と思う間に、
その巨大なニワトリは足取りも軽く廊下の奥へ走り去ってしまった。
いったいどこから入り込んだものか。
ふと見ると、ベランダの窓が15センチばかり開け放しになっている。
レースのカーテンを風がひらひらと揺らし、
爽やかな日差しが窓から差し込む様はモデルルームのCMのように美しかったが、
それよりも何故窓が開いているのかのほうが当然気になった。
この真冬に、わざわざ窓を開け放して寝るバカはいない。
そもそも窓自体を基本的に開けない。
では、私の留守中に何者かが私の部屋に侵入して窓を開け放し、
私はそれに気づかずにずっと過ごしていたということか。
「侵入者」という不吉な考えに私はぞっとした。
しかし、得体の知れない侵入者以前に、
今目の前では、その窓の隙間から次々と新しい侵入者が闖入してきていた。
鳥だ。
今度は、大きめのスズメのようなのが3羽。
ひらりひらりと勝手に舞い込んでくる。
私は、部屋中を飛び回る鳥たちに、出てゆけというように窓の隙間を指差した。
と、今度はその指に、別の鳥が止まる。
仕方なく私は、自ら窓の外に出た。
ベランダは、同じ階の全部屋とつながっており、まるで屋上のように広々としている。
向こう側は、別のマンションのベランダと繋がっていて、
まるで空中庭園のようだ。
ところどころに樹が植えられており、
私はその樹の1本の枝に指先に止まった鳥を差し出した。
鳥は、急にまるでリスザルか何かのように、
するすると腕を伸ばして樹に登りやがて繁みに見えなくなった。
ベランダの空中庭園にはさまざまな鳥が我が物顔で滑空している。
柵には大きなカラスも何羽か止まっていた。
ここは鳥たちの楽園なのだ。
もはや私の部屋は鳥たちに侵略され、窓を閉めることさえ不可能だった。
食われさえしなければまあいい。
私は諦めた。
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