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Days of "dancin' in the vein"

葉脈ダンスの日々

   
カテゴリー「NICEDREAM」の記事一覧

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FUTON

どうにもうまく眠れないまま、朝になってしまった。
時計を見たら6時40分、目覚ましが鳴る7時まであと20分しかない。
それでもどうにか寝なおそうとして、私はふとんと格闘する。
心地よい体勢、ふとんとの快適な関係を模索して試行錯誤する。
しかしふとんは私の意のままにはならない。
勝手な方向にはねあがり、文字通り私とふとんは「格闘」の様相を呈してきた。
あまりにもふとんが勝手にはねまわるので、ベッドサイドに置いていた何かにふとんがぶつかったらしい。
ガラスの割れる音がして、水が溢れ始めた。
しぶしぶ、私はベッドを出て様子を確かめる。
試験管のようなものが割れていて、そこから水道の蛇口のように水がだらだらと流れ続けている。
私は何度も雑巾をしぼりその水を拭き取るが、きりがない。

ふと見ると、隣室のピアノの椅子が、いつもと位置を変えている。丸いスツール型の椅子だ。
のみならず、それを私に気づかれまいとしてか、そろそろと定位置に戻ろうと椅子は自力で移動していた。
バレてるんだよ、と内心思いつつ、私はスツールのほうに歩み寄る。
椅子は慌てて定位置に戻ろうとする。
そのうち、ピアノのむこうにあったCDラックから、数枚のCDも調子に乗って出てきた。
腹が立ったので、手に持っていた雑巾をそいつらに投げつけようとするがうまく当たらない。
私をバカにするように若手の英国バンドのCDが挑発してくる。
イライラした私は、力任せにCDラックをゆさぶって、壁のむこうにそいつらを押し付けてやった。

気が済んでリビングに戻ると、今度は男の子の人形が勝手に動いている。
私はその子の足をひっつかんだ。男の子は可愛いストラップシューズをはいている。
そのストラップのホックがスイッチになっているのだ。
それを外すと、その子は動けなくなった。
まあどうせ私が外出してしまえば靴を履き直して動き出すだろう。
しかし自力で動く人形は、着せ替える手間が省けて良い。
今度この少年人形に、学ランを着せてあげようとふと考える。

しかし眠れない。
私はふとんにくるまったまま玄関の外へ出る。
ドアの前にうずくまってみる。なかなか快適だ。
今は玄関で寝るのが流行っている。
ふと見れば、向かいの家の前にも、斜めの家の前にも、ふとんにくるまった女性が眠っている。
そのうち兄が出てきて、私の隣にうずくまった。兄はふとんを忘れたらしい。少し寒そうだ。
そこへどこからか、ホームレスの男がまぎれこんできた。
私は眠っているふりをして無視をする。
向かい家の前で眠っていた女性が、起き上がって我が家のインターホンを押す。
しかたがないので私と兄は挨拶をして、家の中に戻ることにした。
どさくさにまぎれて入り込んでこようとするホームレスの男を締め出すのに苦心する。

ドアはガラス戸で、ホームレスの男が開けろと騒ぐ。
ガラス越しに顔面を蹴るそぶりをすると、ふとドアの向こうに美しい少女が現れた。
私の高校のクラスメートだ。
彼女はホームレスを蹴りつけようとする私の動作をみて笑った。
ホームレスがいなくなったので彼女を家に上げる。
彼女は兄のことが好きなので、時々手作りのお菓子を持って遊びにやってくる。
今日はアイスだ。私は兄を呼びにゆく。
アイスはキャラメル味で美味しかった。しかし私は睡眠不足のままだった。


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「壊れた夢 覚えた顔 美しい声」

最近よく、音付きの夢を見ます。
音付きっていうか、夢の中で音楽(歌)を聴いて感動して、
うっすら目が覚めたときに、これ絶対覚えておこうって何度も反芻するんだけど、
起きたら案の定覚えてないっていうパターン・・・。
ここ2ヶ月くらいで3回くらいそれがありました。
一度は、歌詞だけでも忘れないように!って何度も反芻して、
目が覚めてからすぐに書き止めたんだけど、
それが「壊れた夢 覚えた顔 美しい声」
・・・夢の中ではなんて素晴らしい歌詞なんだろうと興奮してたんだけど、
冷静に書きとめてみたら、ん?なんじゃこら意味わからんという(苦笑)
でも夢の中ではこれにとても美しいメロディがついていて、
とても美しい声の人が歌ってくれたんだよ。

おととい見た夢は、夢の中で眼が覚めたら大きな船の中で、
ガラス貼りの窓一面外は海と岸辺の街の夜景で、感動的にキレイでした。
珍しく良い夢だった。

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「もちのかみ」

実家にいた。
二階の自室のベッドに寝転がって本なぞよんでいたが、
夜も更けたのでそろそろ寝ようと思い、
その前にトイレに行こうと立ち上がった。
階下では、兄が風呂に入っている音がしている。
兄はいつでも深夜に風呂に入る。
階段を降りようとしたら、
1階の居間で寝ている母が出て来て、ちょうどトイレに行こうとしていた。
降りてくる私に気づくと、「先に使こてええよ」と言う。
居間からは煌々と灯りが漏れている。
いつも二階で寝ている父もなぜか起きていて階下にいる。

台所へ行くと、洗濯機が置いてある裏庭の部分に、
四畳半程度の小さな部屋がいくつも縦に並んで奥まで続いている。
部屋と部屋の間には襖があるがすべて明け放されているので、
まるで廊下のようだ。
それぞれの部屋には布団がひと組づつ敷いてあるが、人の気配はない。

居間の母が「もちのかみ」の話を始める。
どうやら落語の筋らしい。
怪談だが、ユーモラスな落ちがある話だ。
母の話す声を聞きながら私は、
廊下のように連なる四畳半の部屋を奥へ奥へと進む。
6~7部屋は過ぎたあたりで、ようやく突き当たりが見えた。
最後の部屋は、うすい襖で閉ざされている。
襖には、鳥獣戯画めいた落書きのような絵が描かれていて、
その脇に文字も添えられている。
それを左右に開くと、すぐまた同じように薄い襖があって、
やはり同じような絵と文字が描かれていた。
さらに開くとやはり襖。絵と文字。
まるで絵本の頁をめくるように、襖を開けると続きが読める仕掛けらしい。
そうか、これが母の話している「もちのかみ」の話か。
3枚ほど襖を開けて、さらに手をかけようとしたら、
何かに弾かれたように、私は突然ふっとばされた。
きれいに、後ろむきにでんぐりがえりをしてしまう。
部屋の中には布団が引いてあるので、どこも痛くはなかった。
ずっと後ろのほうになった居間で、母が笑っている。
「それが“もちのかみ”や」
どうやら私は話のオチを、実演したらしい。

しばらく呆然としていたが、気を取り直して、最後の襖を開けた。
するとようやくガラスの引戸が現れて、縁側らしきものが見える。
ガラス戸を開けると、ちょうど向側に、同じような縁側があって、
浴衣を着た若い母親と、幼い子供が二人、そこで涼んでいた。
目が合う。
でんぐりがえりをしたばかりの私の髪はボサボサで、
着ていた着物も乱れていた。
しかも時間は深夜だ。
私は慌てて自分の様子を取り繕い、怪しまれないようにと愛想よく会釈した。
裏の家には狂女が住んでいるなどと噂になってはたまらない。
二人いた子供の小さいほうが、ニコニコと笑いかけてくる。
私はやはり愛想よく笑みをかえし、
ちょっと深夜に目が覚めて縁側に涼みに出たけどもう寝ようかなというふりをして、
襖を閉め自室に戻った。

子供の頃、極端に怖がりだった私は、夜に一人で二階に上がることができなかった。
兄か母についてきてもらわなくては、自分の部屋にすら入れなかった。
今は大人だから、1人で真夜中でも起きていられる。
だがもし、怖いと思ったら、母を呼びにいき、その膝にすがるだろう。
四十を越えて、まだ母親に甘えようとしている。
「母は強し」という言葉が浮んだ。
きっと私が独身で、子供がいないのがいけないのだろう。
守るべき子供がいれば、己れの感じる恐怖より、
怯える子供を守らなければという強さが勝るはずだ。
私にはそれがいないから、いつまでも子供のように誰かに甘えようとする。

階段を、父が二階に上がってくる足音がした。
自分の部屋のドアを開きっぱなしだったことを思い出し、慌てて閉めた。

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FAN

狭い六畳間なのに、その部屋には床の間があり、
床の間には小さな扇風機が置かれていた。
外出から戻った私は、散らかったその部屋の中で扇風機が回り続けているのを発見し、
止め忘れたまま外出したことを反省する。節電、節電。
扇風機を止め、隣の部屋に行く。
敷きっぱなしの布団が数組、やはり散らかった部屋に扇風機が何台か。
背の高いのや低いの、やはりどれも回っている。
家族が止め忘れて外出したのだ。ああ節電しなくてはいけないのに。
私は急いで扇風機を止める。
襖を開けさらに隣の部屋へ行く。
やはりそこも散らかった部屋に数台の扇風機。やはり回っている。
背中からも風の気配を感じて振り向くと、
先ほど止めたはずの扇風機までまた動いている。
タイマーになっていたんだなと私は思う。設定を解除しなくては。
けれどどの扇風機のどこを探しても、そんなスイッチはどこにもない。
扇風機はひたすら回り続ける。私の全身にあちこちから風を浴びせ続ける。
背中が寒くなる。

そこで目が覚めた。

涼しい夜だったから、エアコンも扇風機もつけずに眠ったはずなのに、
ベッドの上、壁側を向いて眠る私の背中にずっと風が吹き付けている。
部屋の空気が動いている。予感がする。

グラグラグラっと、大きな地震が来た。

―――――――――――――――――――

目が覚めたところからは実話。
日曜の朝3時半頃の地震のときです。結構長く揺れたので怖かった;
昨日も派手に揺れたし、まだまだ地震多いですね。

お、そういえば、この日記設置して初めて、
拍手からコメントをいただきましたよ!ありがとうございます(笑)
いやはやあちこち放置でお恥ずかしい限りですが、
こんなキワまで気に掛けていただいてありがとうございます。
あまり更新することもない日記ですが、よろしければまた覗いてやってくださいませ☆

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BIRDS(20110220)

目を覚ますと、部屋の中を大きな白い鳥が転げまわっていた。
もこもこした、はばたかない鳥で、
羽根をばたつかせながら転げるように部屋の中を行き来している。
最初は七面鳥かと思ったが、よく見ると巨大なニワトリだ。
追い出さなくては、と思う間に、
その巨大なニワトリは足取りも軽く廊下の奥へ走り去ってしまった。


いったいどこから入り込んだものか。
ふと見ると、ベランダの窓が15センチばかり開け放しになっている。
レースのカーテンを風がひらひらと揺らし、
爽やかな日差しが窓から差し込む様はモデルルームのCMのように美しかったが、
それよりも何故窓が開いているのかのほうが当然気になった。
この真冬に、わざわざ窓を開け放して寝るバカはいない。
そもそも窓自体を基本的に開けない。
では、私の留守中に何者かが私の部屋に侵入して窓を開け放し、
私はそれに気づかずにずっと過ごしていたということか。
「侵入者」という不吉な考えに私はぞっとした。


しかし、得体の知れない侵入者以前に、
今目の前では、その窓の隙間から次々と新しい侵入者が闖入してきていた。


鳥だ。


今度は、大きめのスズメのようなのが3羽。
ひらりひらりと勝手に舞い込んでくる。
私は、部屋中を飛び回る鳥たちに、出てゆけというように窓の隙間を指差した。
と、今度はその指に、別の鳥が止まる。


仕方なく私は、自ら窓の外に出た。
ベランダは、同じ階の全部屋とつながっており、まるで屋上のように広々としている。
向こう側は、別のマンションのベランダと繋がっていて、
まるで空中庭園のようだ。
ところどころに樹が植えられており、
私はその樹の1本の枝に指先に止まった鳥を差し出した。
鳥は、急にまるでリスザルか何かのように、
するすると腕を伸ばして樹に登りやがて繁みに見えなくなった。


ベランダの空中庭園にはさまざまな鳥が我が物顔で滑空している。
柵には大きなカラスも何羽か止まっていた。
ここは鳥たちの楽園なのだ。
もはや私の部屋は鳥たちに侵略され、窓を閉めることさえ不可能だった。
食われさえしなければまあいい。
私は諦めた。


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