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Days of "dancin' in the vein"

葉脈ダンスの日々

   

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PANIC

部屋で「親友」と一緒にパニック映画を観ていた。
いつのまにか映画の中の出来事が現実に溢れ出してきていて、
気づくとそこいらに、なにか強力な重力に逆らって岩にしがみついている大勢の人たちがいる。
あげく、クッションほどもある巨大カニが、
切れ味鋭いハサミをふりまわしているので、
恐ろしくなった私は、外へ逃げようとした。
しかし、どの扉を開けても、巨大カニがハサミを突き付けてくる。

ようやく外へと逃れると、あちこちに真っ赤な血の跡が広がっている。
巨大カニの餌食になった人たちの流した血だ。
そのうち子供の甲高い悲鳴のようなものが聞こえ出して、
子供がカニに襲われているのかと思ったら、
当の子供が奇声をあげながら細いワイヤーのようなものを振り回して、
逃げる大人を追いかけまわして切り裂いている。
巨大カニも怖いが、血に飢えた子供はもっと怖い。

私は恐怖で半狂乱になって走り回ったが、
狭い公園のなかをぐるぐる廻っているだけのようで、他に逃げ場はない。
そのうち混乱に乗じて悪事を働いているガラの悪そうな若い男の集団がやってきて、
私は取り囲まれ羽交い絞めにされた。
しかし運よく、リーダー格の男がメンバーの一人にいちゃもんをつけ始め、
仲間割れが始まった。
皮を剥ぐとか物騒なことを言っている。
その隙になんとか逃げ出した私は、命からがら部屋に戻った。

部屋の中は避難所のような状態になっていたが、
「親友」は、私のためにオニギリを作って待っていてくれた。
「親友」は、特定の誰かではなくてすべての親友の集合体のようなもので、
総合するとなぜか「壇蜜」的な雰囲気をかもしだしている。
私は彼女の優しさに胸がいっぱいになり、
号泣しながらオニギリを食べた。


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